当塾には中学受験を控えた方もいれば、すでに受験を経て中高一貫校に通われている方もいます。中学生以上の方は、「現代文」のほかに「古文」「漢文」も悩みの種で、どこから手を付けたらよいのかというお困りの言葉をよく伺います。
結論から言えば、「単語」を覚えること。「文法」を習得すること。そして時代背景を理解すること。この3つが揃えば基礎的な問題には対応できるのです。
「なんとなく」の怖さ
というものの、中学生になって古典で苦労している子に「文法を習得すればいいよ」とだけ伝えても効果はほぼ得られません。なぜなら、古文文法の前に現代文の文法の理解が怪しいからです。
現代文の文法は、もちろん小学校で教えていただけます。しかし、何時間もかけてみっちりとやることはありません。その理由は二つあります。
まず母国語が日本語である方が大多数のため、学校や塾で徹底的に文法を学ばなくても、教科書はもちろん試験に出てくる問題文を読むことは可能であること。そして中学入試では文法そのものの知識を問う問題は少なく、比重が長文読解に傾くことが挙げられます。
ところが中学に進学して古文文法を習うとき、「現代文の文法が理解できている」前提で教科書やテキストが作られているのです。品詞を区別すると言われて、名詞と動詞が全くわからない子は確かにいません。しかし助動詞や形容動詞が出てきて、(なんとなく聞いたことはあるから名前は知っているけど、どんな品詞かを説明することはできない)と戸惑いを感じる子は多数派ではないでしょうか。
(なんとなくわからない)というのは、とても学習意欲や集中力に影響を及ぼす状態です。こんな状態で動詞の活用と言われたところで、良くて(なんとなく分かった)となるくらいです。そして残念ながら(なんとなく分かった)では、試験本番でその知識を思い起こすことは大変難しいことになります。
中学受験での「文法」
古文文法に難儀する方は、まず現代文の文法を理解していただきたいと思うところではありますが、では現代文の文法は小学生の間にどれほどやりこむべきなのでしょうか?
中学受験対策としては、志望校が文法を知識問題として重視しているかによります。2024年度入試では、例えば慶應義塾中等部。大問4で文法問題が7問出題されています。一方、桜蔭中学校ではそのような問題は出題されていません。6年生の方は志望校の出題傾向に従って、5年生以下の方は読解力の下支えとして一度文法のおさらいをしていただきたいと思います。
そして中学生以上の方。残念ながら古文、漢文の成績は文法理解度に左右されますので、一度頑張って学習しましょう。延々と学習する必要はありません。テキストだけでは理解しにくいようであれば、誰かに教えてもらいながら集中的に数時間学んでください。文法が身に付けば、文章の理解度が一気に深まります。