前回、長文読解問題の問題文が長すぎるあまり、先に設問を読んでしまうことの是非について書かせていただきました。

今回も同様に《長文読解の時短テク》と認識している方も多い、「傍線部付近だけを読んで、解答をさがす」という解法について、私の思うところを述べさせていただきたいと思います。

この方法、ある程度の難易度や学年までなら通用することもあります。

確かに文章全体を通読するよりもはるかに時短になるし、そのうえ正解できるなら、こんなに良いことはないように思えます。

しかし。【逆接の接続詞】、「しかし」の登場です。

くどいですが、この方法が通用するのはある程度の難易度や学年まで。おおよそ小学5年以上であれば、この方法に頼るのはリスク以外の何物でもありません。

実際に、この方法で問題を解く生徒さんはいます。そして必ず、国語だけでなく他教科でも苦しんでいます。

そうした生徒さんは、傍線部近くに解答となりそうな言葉や文章がないとき、一気に前か後ろの離れた文に飛び、半ば思い付きのように答えを決めます。

これで正解するのは、あまりにも低い確率に頼っています。そして生徒さんにとっては、「次からこうしたら良い」という実感が全く得られません。読解力は全く育ちません。

他の教科にもマイナス影響が出てしまう

傍線部付近に答えと思しき文章がないとき、読み進めていくならまだしも、さかのぼって読むのはより文意を掴みづらいことは言うまでもありません。そのため生徒さんは一気に離れた部分の文章に飛んでしまいます。傍線部付近の文章を続けて読むのは3行程度。

3行ほどで違うところに飛ぶ習慣がついてしまうと、算数や社会、理科の長い問題文を読むことが苦痛になります。与えられた図や表を手かがりに、これまで出会ったことがある問題同様に解こうとします。

しかし、学年が進めば初見の問題に出会うのは避けられません。当然【求められてること】が読み取れず、正解することができません。せっかく計算力や知識があるのに、文章を読むクセのために『問題を解く力』が育たないのです。

文章ははじめから読む

この読み方だけは、今日今からでも改めていただきたいのです。

とはいえ、やはり大きな戸惑いや抵抗を感じる生徒さんはいらっしゃいます。特に受験まで数か月の生徒さんは動揺してしまうかも。

そこで、せめて『文章のはじめから傍線部まで』読んで解答してみる、に変えてほしいのです。

そして受験が終わったら、すぐに読み方を変えることをお薦めします。遠回りにように思えても、大切な将来の可能性を守るため、国語の力は正しく身に着けてください。