前回のブログでは、物語文の読み方についてお話ししました。
今回は説明文について、読み方のコツをお伝えします。
苦手な人が多い説明文
物語文は著者が紡ぐ架空のお話です。
一方、説明文は筆者が自分の論=持論や意見を説明する文で、その説明は事実に基づいています。事実に基づいた筆者の意見を読み取ることが、説明文読解の目標です。
事実が淡々と述べられていく中で、何が重要で何をさらっと流し読みしてもよいか、わからない生徒さんは多いです。
国語が苦手な生徒さんの大半は、「物語文はまだ読めるけど、説明文はさっぱり」とおっしゃいます。
段落番号を書き込む
そんな説明文を読んでいくためには、いくつかの作業が必要になります。
まず、段落番号を振ること。
1⃣日本は同調圧力が強いといわれる。それは何も他国からの評価に限ったことではなく、自国民からもよく聞こえてきた声であった。あまりに当たり前で周知の事実であったので、意識されていなかったかもしれない。
2⃣ところが、そんな我々に再び同調圧力の存在を強く意識させることが起きた。新型コロナウイルス感染症だ。マスクをつけ、ことあるごとにアルコールで消毒を行う。満員電車には乗らない。遠方への旅行は控える。一時期は国民のほとんどがこういった行動を取っていた。
3⃣しかし、今やマスクは自己判断でつけるかつけないかを選ぶようになった。店舗入り口に常備されていたサーモカメラと消毒のための機器はどこかにいってしまい、再び満員電車にも乗る日が来た。旅行も国内、国外問わずコロナ禍以前の水準の何割かに達した。
段落とは文章の意味の区切りで、1文字空白がある形で始まります。その空白部分に順番に番号を書いていくのです。設問から解答を考えるときに、この段落番号が目印になります。
接続詞に印をつける
接続詞には順接・逆接・言い換え・例示などの種類があります。その接続詞に注目すれば、続く文章を事細かに読まなくても、前の文章とどういった関係にあるのかが分かります。
極端にいえば例示の接続詞に続く文章であれば、(ここに例がある)とわかるようにさえしておけば、読み飛ばしてもいいくらいです。「実例を挙げて答えなさい」なんて設問があったときに、初めて読んでも差し支えありません。
接続詞を見つけたら〇で囲んだり、印をつけたり。あとから振り返った時に迷わないよう、どんどん目印をつけましょう。
タイトルから主題を推測する
これはもし記載があれば、というコツになりますが、問題文の末尾(一番最後)に筆者と文章のタイトルがあります。例えば2023年開成中学校入試国語では、建築家の隈研吾さんの『人の住処』から出題されました。
隈研吾さんのご職業が分かればそれに越したことはないのですが、仮にわからなくても「住居について書かれているんだろうか」「人の住処、というくらいだから、問題点や歴史が出てくるのかな」と推測が立ちます。
これは私の友人の実話なのですが、その人は英語はほとんど話せません。ですが働いている文具のお店に英語しか話せない方がいらしたとき、どうにかこうにかしてコミュニケーションを取って、探しているものを見つけることができました。そんなことが何回も続き、その人はすっかり外国の方の接客担当になりました。
その人曰く「だってこの店に来てるんだもん。まさか野菜を探していることはないでしょう。初めから文具のことだと思って話を聞いてたら、なんとなくだけど分かるだけよ」だそうです。
見立てともいいますが、ある程度推測して考える範囲を絞ることは、理解を大いに助けてくれます。
国語が得意な人は接続詞や文章の流れから、続く文章を予測しながら読み進めているのです。ですから、もしタイトルが分かったなら、それを手掛かりにするのは大いに有効です。
ただこの方法、物語文では使わないでくださいね。物語文のタイトルは抽象的なものや、全体を通して語られているものがありますので、余計に混乱することがあります。
とにかくマーキング
ベテランの国語の先生でも、物語文や説明文の区別なく、どんどん書き込みをして問題文を読んでいらっしゃいます。段落番号や接続詞にどんどんマーキングして、問題文迷子にならない対策をしてください。
まだ入試本番まで時間があります。今のうちにこうした方法を試してみて、どうしても書き込むことが苦手だということになれば違う方法を試みる。やる前から嫌がらない。どうか食わず嫌いにならないでください。