できれば満点を取りたい。書くべきところは見つけられたし、ちゃんと8割文章を書けた。なのに、減点されている。納得いかないですよね。記述問題の減点ポイント、「日本語がおかしい」について確認していきます。
2025年早稲田実業学校中等部入試問題の正解から
助詞がおかしいと、日本語としては一気におかしくなってしまいます。今回取り上げている、早稲田実業学校中等部2025年入試問題の大問二問1の正解を例に考えます。
「自分の選択の責任を自分自身で負う機会」には「の・の・を・で」の助詞が含まれます。
仮に、「自分が選択の責任を自分自身が負う機会」としたら、違和感があります。「自分が」と「自分自身が」の二つの主語が文中にあり、同じ役割しか果たしていないのです。ですから必要ない主語が余分に入っただけ、という状態なので、減点されるでしょう。
助詞が変わると、その文節(~ね、で切ることができる品詞の塊)の役割が変わってしまいます。主語が修飾語になったり、述語が目的語になったり。これが実は、いつまでも治らないクセであることも多いのです。
このクセを持つ子は、書き言葉(文章)が話し言葉と同じになってしまっていることがとても多いのです。
「自分で選択した、その責任を、その人が、責任を負って」のような、話し言葉をそのまま書こうとします。文中に余分な代名詞や重複した言葉があることによって、字数がオーバーするので、どこかを削る必要がでてきます。(二つ書いてしまった『責任を』を片方消そう)とすると「自分で選択した、その人が、責任を負って」。これでは部分点も危うい解答です。
また、こうした子は、説明文より物語文が好きです。(若しくは得意だと思っている。)なぜなら、「書き言葉」に慣れていないからです。自分が読むにしろ書くにしろ、話し言葉のほうが楽で親しみがあるのです。心情を追うことが得意だから物語文が得意、というわけではないのです。
ですが、中学受験に限らずすべての受験、また面接など社会に出てから遭遇するオフィシャルな場面において、話し言葉と書き言葉の使い分けがあいまいなことはマイナス作用しかありません。文章が固いからと説明文や論説文を食わず嫌いしているのもよくありません。この傾向が見られたら、なるべく早めに軌道修正に踏み切りたいところです。
受験の解答は書き言葉で
おかしな日本語は ①助詞の使い方が間違っている ②話し言葉をそのまま書いているため文章としておかしい という点が挙げられます。
これらを改善するために、どうすれば良いのでしょう。
一つの方法としては文章を読むことが有効です。まだ受験まで1年以上あるのでしたら、少しずつ定期的に読んで、習慣化していきましょう。読むのは本でなくても良いのです。例えば百科事典、何かの説明書など。実用書でも構いません。正しい日本語で書かれた、つまり校閲を経て発行されたものを読むように心がけてくだされば種類は問いません。一方、たとえ内容がニュースでも、インターネット上の記事は短い文章や誤った言葉遣いが使われていることも多々ありますので、お勧めできません。
また、実際のテスト対策として、正解解答の書き写しがあります。これまで受けたテストで不正解(全く書けなかったものも含む)だった記述問題の正解を書き写します。
国語が苦手な方は、文字を書くことさえ嫌がります。言葉で言おうとするのですが、それでは話し言葉からの脱却にはなりません。ですので、粘り強く書くように言い続けるしかありません。
記述問題ももちろんですが、例えば作文にしても、決まった文章の型を使って書かれているのです。もともと読書が習慣化している方は、この型を無意識に身に付けていることがあります。とはいえ、試験国語は問題文から重要な要素を見つけ出すことができないと正解にはつながらないので、読書好き=国語の成績が良いとはならないことは、これまで何度かお伝えしています。
話し言葉でしか文章を書けない方は、先ず正しい書き言葉に触れる。そして正しい書き言葉を真似る。このステップを踏んで、書き言葉に慣れていくのが良いと思います。
学ぶことは真似ることから始まります。良い文章、自分には書けないと思った文章は、どんどんと真似てください。真似ることは全く恥ずかしいことではありません。
本当に恥ずかしいのは、やらなければいけないと分かっていることを実行しないことなのです。