「記述問題を全く書かないから、点数が伸びない」

「組分けテストだけでなく、カリキュラムテストでも記述問題は真っ白」よくこんな嘆きのお声をよく伺います。前回は記述問題の得点の仕組みと点を取るための要素を確認しました。

今回は減点を避けるために気を付ける点を、前回同様入試問題を使って確認します。

早稲田実業学校中等部2025年度入試問題から。

概要は前回書きましたので、割愛します。

同じ大問二問1を使って考えてみましょう。この問の解答に必要な要素は下記のとおりです。

これに添った解答であれば得点になるのですが、上記の要素を満たしていても減点されることがあります。

それは、次の2つが該当するからです。

まさかそんな!と思われる方も多いと思いますが、大人だって仕事で転記ミスをします。まして10代前半のお子様であれば、そんなことが起こっても不思議ではありません。考えて書く記述だから起きるわけではなく、書き抜き問題でも起こります。記述ではありませんが、代名詞が指す言葉を解答する問題でも見られます。

こちらからすると「せっかく正解がわかったのに、もったいない!」と思ってしまいますが、減点、もしくは不正解に変わりはありません。もちろん次回からは書き写し間違いがないように気を付けて、とは言いますけれど、もっと効果的な対策はないものでしょうか?

中学生以上のお子様なら、「現代文は書かれていることを解答するもので、自分の考えを書くものではない」と聞いたことがあるでしょう。小学生のお子様も聞いたことはあるかもしれませんが、その意味を理解できているのは少数派かもしれません。

当塾には小学生、中学生、高校生とも在籍しておりますが、一番自由に言葉を紡いでくれるのは小学生です。これはおそらく小学校国語が「教科書を読んだり関連する出来事を調べ、そこから感じることを書いたり発表する教育」を大切にしている成果ではないでしょうか。

そのせいばかりではないかもしれませんが、教科書やテストの解答を写す、という作業が最も苦手なのも小学生であることが多いのです。そうした単調な”作業”は、向き不向きもあるのかもしれません。しかしせっかく正解になった問題が写し間違いで不正解になってしまうのも避けたいところですから、こうしたお子様には記述問題の解答のような文章を写す、という作業の経験を積んでいただく必要があると思います。

ここで大切なのは、単語でなく文章を写す、ということです。「この単語を写し間違えたから、これを10回書こう」と促しても、あまり定着しません。これには脳科学の根拠があって、脳は基本忘れやすいのですが、「思い出す」という作業を行うことで整理整頓され、忘れ去ってはいけない情報として記憶されるのです。

単語はそのままでは単なる一つの品詞であって、文章の中で初めて意味を持つのです。品詞一つを10回書いてインプットしてもそれは意味を持たない文字の羅列でしかないので、また違う文章で出会ったときに想起されにくいのです。ですので単語が定着していなくて書き間違いが発生した場合には、その単語が出てくる問題文、もしくは解答を書き写し、音読して、意味を理解するところまでやっていただきたいと思います。

さて、例として取り上げた解答は「~責任を自分自身で背負う機会」ですが、例えば「背負う」が「負う」になっても問題文中の語句と異なるので減点ですし、「機会」がこの文章でよく出てくる「感情」になってしまうと減点どころか不正解になる可能性があります。「責任」やこの解答前半の「判断」は漢字問題で出題されることもありますので、もし写し間違いがあったなら文章で意味まで覚えてしまうことがおすすめです。

ところで問題文中の語句と相違があってはいけないけれど、設問に使われている語句は使えません。これも意外とやってしまいがちです。この問題なら「”背負う権利ではだめなのか?機会でなければいけないのか?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

長くなってしまったので、イ・日本語がおかしい は次回に確認したいと思います。

日本語がおかしいってどういうことでしょうか。