昨年末から、小学校受験を終えた年長さんと国語と算数の勉強をしています。

こうした場合、新しい知識を学ぶよりも「学習習慣を継続する」ということに重きを置いています。もちろんテキストの出来不出来が気になるのは当たり前ですが、復習ではないので出来ない問題も多々あります。しかしそれよりも「学習習慣を継続する」ことに重きを置くのは、スムーズに小学校入学後の学習にはいっていくためです。

同じように、中学、高校、大学と入試を終えた皆さんは遊ぶことも大切ですが、「学習習慣を継続する」ことも心がけていただきたいと思います。

フロー状態を忘れない

受験という脳への負荷、大きなストレスから解放された生徒さんが、辛い記憶の元となる「勉強」から離れたがるのは自然なことです。その一方で、受験を終えて、生徒さんの心には何かしらの感情が残ったはず。

目標が達成できた、できなかったを問わず「やり切った」と思えるのであれば、とても素晴らしいことです。また、後悔や悔しさは次につながります。何しろ多くの時間と努力を費やしたのですから、結果と共に得たものがあるはずです。

その中でも特に、皆さんに忘れないでいただきたいのは「フロー状態になった自分」です。

「フロー状態」とは「ある活動にのめり込み、我を忘れ、時間を忘れ、極度に集中した精神状態」を指します。この状態になるとリラックスしているのに集中していて、周囲の雑音など気になりません。そして、脳は大変気持ちいいと感じています。実は特別に珍しい状態ではなく、「集中していたら時間を忘れた」ようなことは、多くの方が経験されています。

冒頭の年長さんの授業のお話です。算数で或るパズルを解きました。1回目は全然わからなくて、全く楽しそうではありませんでした。2回目、ちょっと解けるようになってきましたが未だよく理解できず、途中で飽きてしまいます。3回目。途中までスムーズに解けるようになってきました。眉根が寄ったタイミングで、少しヒントを与えます。するとまた手を動かし始めます。そんな事を数回繰り返し、じわじわ正解に近づいていきます。

こうなると、たとえ年長さんで小学校受験を終えたあとでも、フロー状態に入り込みます。授業前は嫌々机に向かう子が、「もう時間だから、終わっていいよ」と声かけしても「全部やる!」とパズルから目を離しません。結局授業時間を10分近く過ぎて、パズルは完成し満足げに見せてくれました。

「解ることは楽しい」

フロー状態に入るためには、いくつか要件があります。自分の力より少し難しい課題をやること。その課題を今どのくらい解けているかを把握できること。また上記の例から、たとえ前回はフロー状態に入れなかった課題でも、習熟度があがると難易度とのバランスが変わって、フロー状態に入れることも分かります。

先ほども述べたように、こうした状態に入ると脳は気持ちいいと感じているのです。ですから課題を解いていくことは苦痛でもなんでもなく、むしろ楽しいことになります。これが「解ることは楽しい」と感じる仕組みです。

受験を終えた方も、これからの方も、ぜひ学習時間のなかに「フロー状態」を生み出せるような配慮をしていただきたいです。そうすることで、脳はどんどん気持ちよくなるし、習熟度が上がれば課題の難易度を上げることもできます。

反対にもし今、勉強が辛くて辛くてたまらないなら、課題の難易度があっていないのかもしれません。

勇気がいるかもしれませんが、ちょっと難易度を落として、学習リズムを作ることもとても大切です。やるなら今です。一日もはやく、『よい学習習慣』を自分のものにしてください。