突然ですが、「ジャムの法則」という言葉をご存じでしょうか。
簡単にいうと、「人は選択肢が多すぎると、かえって選べなくなってしまう」という心理現象のことです。
数多ある学校の中からオンリーワンの志望校を探すことは、容易いことではありません。
ますます増加する受験者数
2023年度入試は過去最高の受験者数と受験率になりました。しかしピークはまだ来ていない、と言われています。前回のピークは2007年度。首都圏の2023年度入試の受験者は、すでにその時の応募者数を上回りました。2024年度入試では、さらに受験者が増えるものと見込まれています。中学受験率は首都圏で22%以上、当塾が位置する世田谷区、隣接する渋谷区では30%を優に超えます。
おそらくこの数字も、このブログを読んでくださる方は当にご存じでしょう。何万人という受験者がいても、皆様の大切なお子様は数字では表せません。その子に最も合う学校はどこなのか。もっと言えば、「わが子が最も幸せに過ごせる学校はどこなのか」。この答えを見つけるために、様々な情報収集をされているのではないでしょうか。
学校選びで重視すること
では、冒頭の「ジャムの法則」に戻ります。この法則は1995年にコロンビア大学教授が著した「選択の科学」という本に登場します。この法則では、「人が自信をもって選択し、その選択に満足できる選択肢の数」として5~9をあげています。とはいえ、それは選択する人や状況によって変わるという意見も多いのです。法則通り、あまりたくさん選択肢があると迷いすぎるという方も、逆にたくさんの選択肢の中から選びたいという人も、どちらが間違いということはありません。
もし学校選びで迷っていらしたら、いったん校名やそのほかの要素から離れて、大切なお子様が「大切にしたいこと」を書き出してください。偏差値、通学時間、大学進学率、部活動、制服、施設設備、などなど。大切にしたいことに更に優先順位をつけて、優先順位が高い順に学校を絞り込んでみましょう。それでも当てはまる学校が多すぎて、5~9どころかもっとあって選べないという方もいれば、そもそも「大切にしたいこと」がまだ分からないというご家庭もあるかもしれません。
前者であれば、説明会などになるべく参加していただき、イメージを具体的なものにしていくことで絞り込みができます。後者でも、焦ることはありません。そもそも12歳くらいのお子様に、何がやりたいか、何が大切か、自分で答えを出すよう迫るのも酷な話です。ただ親心としては、この先「大切にしたいこと」が定まった時に備えて、幅広い経験や選択ができる学校を選びたいということは当然あります。その場合でも実際に試験に臨むのはお子様なので、しっかりとした話し合いのうえでお子様が納得し、勉強に邁進できることが理想的です。
通学時間を例に①東京学芸大学付属世田谷中学校
例えば当塾からの徒歩圏には、共学の東京学芸大学付属世田谷中学校があります。深沢の閑静な住宅街のなかにあり、緑豊かで敷地面積も十分にあります。
四谷大塚のデータによる偏差値は61です。国立大学付属ですから、学費は私立に比べ少なくなります。携帯電話は許可制で持ち込み可、ロッカーに保管となります。土曜日は授業はなく、月2回まではクラブ活動が行われます。併設高校への進学率は直近のデータで約60%でした。
教育目標として、次の3つを掲げていらっしゃいます。
- 個性的で人間性豊かな人格を作る
- 創造性豊かな人間性を育てる
- 敬愛の精神に溢れた人間を育てる
通学時間を例に②昭和女子大学付属昭和中学校
同じ徒歩圏内としては、女子校の昭和女子大学付属昭和中学校があります。東急田園都市線三軒茶屋駅から徒歩7分。正門前は人通りも多い立地ですが、敷地内は広く、騒がしいことはありません。
四谷大塚のデータによる偏差値は49です。初年度学費は1,133,200円(2023年度)。携帯電話は許可制で持ち込み可、電源オフで携帯します。土曜日は通常授業があり、4時限まで。併設高校への進学率は直近のデータで96%でした。
中2の3月に、アメリカのボストンで全員参加の語学研修が行われるなど、グローバルに活躍できる女性の育成を目指しています。
フィルターを使い、納得のいく選択を。
当塾から徒歩圏内、というフィルターで絞った2校。あまりに特色が違うので、比較にならないかもしれません。ということは、1つのフィルター、価値観では選択が偏る危険性があるということです。
「ジャムの法則」で、適正な選択肢の数を5~9とお伝えしました。しかし、うまくカテゴリー分けができていれば、これより多くの選択肢があっても満足度の高い選択ができる、とする論もあります。
選択の際、大切なのは選択肢の数だけではなく、絞り込むフィルター、大切にしたい価値観ではないでしょうか。大切なお子様の未来、大切にしたい価値観で選んでいただきたいのです。今はまだ、そこまで絞り込む必要はないかもしれません。この夏、お子様の「行きたい、行くために頑張りたい」という素直なお気持ちを引き出すべく、対話を通してお子様の希望を明確にしていただければと思います。
来年の2月、心からの笑顔を見るために。