「国語に限らず他教科でも読解力が必要」だということは、今や常識となりつつあります。

何を問われているかが理解できなければ、正解に辿り着けないのですから当然ですね。

それでは、実際の入試問題ではどのくらい他教科でも読解力が必要になってくるのでしょうか。

青山学院大学算数 2022年入試

前回も取り上げた青山学院中等部。私立中学の志願者が減っているといわれた2023年入試においても、変わらず人気を集めていました。

さて、今回は2022年算数入試問題です。国語同様、全てに読解力が必要ということはなく、単純な計算問題からスタートです。国語同様、問題数が多いのでそれほど時間はかけられません。取りこぼしなく、かつスピーディーに。積み重ねでしか得られない力ですが、”基礎力の高さ”が求められます。ここで時間を使ってしまうと、後半で焦りが生まれてしまい、いつもの力を発揮できなくなります。

後半、他サイトでも難問と評された問題が出てきます。

大問11。旅人算です。設定要件を押さえて計算に正確に反映できれば、計算自体は難しくありません。特に小問1は、1つ目と2つ目の信号の待ち時間の差さえ気をつければ、それほど時間をかけずに解ける問題です。小問2は自転車に乗った弟が信号に辿り着いた時、信号は青と赤のどちらであるかを考える必要があります。この分の時間は取られるかと思いますが、計算に時間がかかることはないと思います。

大問13。こちらは大問11以上に要点整理が必要となります。読解力というより、論点整理の力が役立つ場面です。ここまでくると時間も気になり集中しにくい状況かもしれません。計算での負担を減らすためにも、与えられた状況を正確に把握することが肝要です。読解力が鍛えられていれば、国語の要約と同様に、拾うべき点を押さえて計算に反映できるでしょう。

攻玉社中学校算数 2023年との比較

さて、ここで他校との比較を見てみます。男子校で、校風も青山学院とは対照的な攻玉社中学校です。偏差値で比べるとそこまで大きな隔たりはないものの、出題傾向は正反対に近いものでした。

問題文の出題者が受験生に問うていることが、必要かつ最小限の文章で書かれています。問題文を読み解く力というよりも、算数の知識を問い、回答させることに重きを置いている傾向でした。かえって文章が簡潔であるぶん、意図の読み違えに注意しなければなりません。ここで躓くと、いくら計算しても答えに辿り着けないでしょう。

唯一長文の大問3は要点整理が必要でした。しかし「算数の攻玉社」に挑戦するのであれば、体積の問題は押さえていなければなリません。要点を素早くまとめ、磨いた計算力で突破したい問題です。

問われる”速読”と”継続力”

見た目の印象は全く異なる2つの中学校入試を比較してみました。しかし、問われているものは同じでした。

まず、スピード。短い試験時間に問題文を読み、要件をまとめ、計算に反映する力です。ここで国語力が問われます。国語の問題文を読むほどのエネルギーは使いませんが、素早く要点を掴む力を養っているかが問われます。

次に、計算の基礎的な力を備え、それにプラスアルファの演習ができているか。すなわち、継続して算数力を高めて本番に臨むことができているか、どうか。このレベルになると短期集中でどうこうなるものではありません。結果が目に見える時も見えない時も、自分が目指す場所に向かってひたすらに歩いていける力があるか。そんな継続力が問われている2校の入試問題でした。

でもまだ、一人きりで歩く時期ではありません。本当に一人の力が問われるのはもっと何年も先のこと。今は周りの大人たちの助けも得ながら、自分の力がどこまで伸びるのか存分に挑戦していただきたいのです。その頑張る生徒さんの力に、私もなりたいと思います。一緒に頑張りましょう!